見た目は綺麗、中身は錆び錆びの「キャノネットQL17初期モデル」の運命は…
◎とあるリサイクルショップのジャンクボックスに、綺麗なキャノンのレンジファインダー機「キャノネットQL17初期型」が安価で転がっていました…
状態は巻き上げレバーが全く動かず(嫌な予感)、シャッターボタン降りず。
でも安かったので、腕試しに買って帰りました。
①1965年3月に発売された「キャノネットQL17初期モデル」
キャノンの字の下に「QuickLoading」と書いてあるので、初期モデルになります。
この後期型は貼り革に「QL」のネームプレートが付けられているのですぐに分かります。
35mmレンズシャッター式距離計連動・シャッタースピード優先式EE。
レンズ「SE45mm F1.7 (5群6枚構成)」 シャッターはコパルSV、1/500～1秒、B、セルフタイマー内蔵
ブライトフレーム式パララックス自動補正トリミング・マークファインダー、倍率0.7倍
CdS式 測光連動範囲=EV2.5～19(ISO 100) 大きさ・重さは140×79×37mm、830g
②外装は割と綺麗なんですけどね…
まさか中が錆びているなんて、「開けてびっくり玉手箱」でした^^;
③開けてみるとあらゆる回転軸が錆びて固着していました
大切にされていたけど、保存場所はかなり湿度の高い場所だったと推測しました。
巻き上げ機構、露出機構はほぼ全滅状態^^;
まずは露出機構を動く様にし、次に巻き上げ機構をやったのですが、ネジも錆びていて外れず、駄目押しはスプールのメインシャフトが完全に固着していてお手上げ。
④ファインダーの二重像の軸も錆びて固着…
それでも何とか動く様にしましたが、巻き上げ機構のメインシャフト、ラチェット機構などがやっぱりどうにもなりませんでした。
仕方なく…
⑤レンズを外し、レンズ遊び用に解体する事にしました
凄い部品の数です。
使えそうなネジや部品はストックする事にしました。
⑥錆びで固着していた部分
これ見てもやる気がなくなりますよね^^;
特に一番最後のメインシャフトの固着は切断という最終手段をとらないと外す事すらできませんでした。
残念だけど、改めてキャノネットの造りの良さも感じる事ができたのは良かったです。
⑦それではミラーレスでレンズを使えるように分解・整備します
キャノネットのレンズボードは配線が接点になっていて、簡単に外せるのは良いですね。
錆びてなければ整備性はとても良い感じです。
⑧まずは前から分解していきます
レンズを清掃し、cdsは敢えて残す事に。
⑨このカメラが故障した本当の原因?
セルフタイマーのラチェットの板バネが変形して途中でスタックしていました。
これでは巻き上げ、シャッターが切れません。
きっとこれで湿度の高い場所へ長期保存となったんでしょうね^^;
板バネを板金してちゃんと動く様にし、メカもちょっと油を混ぜたホワイトガソリンで洗浄し、正常に動くようにしておきました。
⑩ミラーレスカメラで使うので、シャッター幕は撤去します
一応、これらは補修パーツとしてとっておきます。
⑪レンズ後群の清掃
シャッターや絞りの連動リンクは撤去しました。
⑫レンズ後ろに付いていたフレアカッターの使い道?
引き伸ばしレンズのフードとして使えそうな…(笑)
また使ってみようと思います^^
⑬こな感じでミラーレスカメラに取り付け完了!
割とバックフォーカスが短く、フォーカシングキーが長すぎるので切断しました^^;
なのでレンズ本体をクルクルさせながらフォーカシングする事になります(笑)
⑭作例は来週!と思いましたが、簡単に開放で撮った写真を1枚だけ載せておきます^^;
怖い呑み屋のお姉さんです(違)
◎それではまた来週!
以上、【見た目は綺麗、中身は錆び錆びの「キャノネットQL17初期モデル」の運命は…】でした! (^^
