Canon 「キヤノデートE-N」を軽く整備した時の記録
◎もう一年前に整備したキャノンの「キヤノデートE-N」の事を消えつつある記憶を思い出しながら書いてみました。
このカメラは確かハードオフ林間モール店でいつまでも売れ残っていて、クリスマスセールか何かのセールで2割引の時に買ったと思います。
とにかく印象的だったのが、カメラの後ろに大きなイニシャルが白いマジックで書かれていて、それを消すのに一番時間が掛かった事ですね(笑)
1973年(昭和48年)3月発売 ¥32.000(ケース¥2.500)
キヤノデートE(1970年12月発売)の改良モデルで、デートダイアル部分に色入れ、「Canodate E」のE文字が赤色になり、一番目立つのはフォーカシングリングがシルバーから黒になったところだと思います。
個人的にはフォーカシングリングがシルバーの方がクラシカルな雰囲気で好きですが、何故かジャンクで出会う事はありませんでした。
あとこのNから付いた「電池の容量が不足している場合にシャッターボタンロックがかかる」のは整備的にはノーグッドですね(苦笑)
①まずは一番気になるファインダーの汚れから
何でクラカメのファインダーってこんなに汚れているのか不思議です。
(これは清掃後ですが)
ミラーの脱落も無く、ハーフミラーの状態も良かったので簡単な調整をして終了。
②キヤノンのメカってしっかり作ってあるイメージがあります
あまり無理をしてなく、整然とパーツが取り付けられていてなんとなく安心感があります。
ストロボ端子も接点になっているので楽でした。
③実は裏蓋が開かなかったんですよね…
巻き戻しノブを上げても開かない…
軍艦部を開けてみたらここの爪が変形していました^^; (これは修正後です)
どんな怪力で引っ張ったんでしょう…💦
④レンズ清掃の為に分解します
銘板を固定しているリングナットをカニ目ツールで外し、銘板の取付位置を確認しながら銘板を外します。
⑤メッキしてあるフィルター枠を固定しているリングナットを外し…
ISO感度調整リングを外します…が!!
ここで注意があります。
⑥ここにクリックボールがあります!
良く失くすんですよね、これが…(汗)
失くさない様にグリスを塗って固定するのも手です^^;
⑦接点に付いている配線のハンダを溶かして外します
この時に溶けたハンダ片がカメラの中に落ちない様に注意します^^;
出来ればハンダ吸取線などを使って古いハンダを回収した方がハンダ付けが捗ります。
⑧接点部分の取り外し
ネジを紛失しない様に保存します。
各パーツは部分ごとに100均のジッパーミニ袋に入れるのがおススメ!!
それと作業ごとに写真や動画を撮っておくのも大切です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
部品が残ったとか、パーツの位置が分からないなどのトラブルを回避できます^^;
⑨レンズのヘリコイドを外す時は…
取り外す前に必ず無限遠の位置をマーキングし、外れるまでの距離や回転数のメモ、一番大事なのはヘリコイドが外れる瞬間の位置だったりするので、確実にマーキングしておきます。
⑩ん… アレ?
メーカーのサイトには「40mm F2.8(4群5枚構成)」と書いてあるのですが、分解すると3群4枚のテッサータイプでした💦
⑪おそらくテッサータイプだと思います
焦点調整は前玉回転式、絞りは中玉と後玉の間に入っているので絞っても画質は安定していると思います。
でもそのお陰で取り外したレンズをミラーレスカメラで遊ぶ事はできませんでした💦
(後玉がレンズボード側に固定されている為)
⑫電子化が進む頃の配線は取り回しが大変
フレキシブルケーブルなんてスリムな物も無く、昔の人は配線の取り回しに苦労したと思いました。
もちろん整備も大変なので、自分はトラブルが無い限り手を出しません^^;
電池を入れたらちゃんと動きましたが、デートはとっくに「年」が終了しているので、下一桁を使うしかなさそうな感じでした。
◎最後にこのカメラのスペックなど
カメラ型式: 35mmレンズシャッター式距離計連動・プログラムEEカメラ、日付(年・月・日) 同時写し込みデート機構内蔵
画面サイズ: 24×36mm
レンズ: 40mm F2.8(3群4枚構成?)
シャッター: セイコーESF(電子制御式) EV1 (4秒、F2.8) ~17 (1/500秒、F16)、X、セルフタイマーはなし、 フラッシュオート用ホットシュー/ドイツ型ソケット
ファインダー: 二重像合致式連動距離計と逆ガリレオ式ビューファインダーを光路内に一体化した一眼式、ブライトフレーム式パララックス補正マーク付き、ブライトフレームに日付写し込み表示、バッテリーチェッカー兼手振れ警告 (ランプ式) フラッシュ撮影指示ランプ付き、倍率0.6倍、視野率84%
EE機構: CdS式、完全自動プログラム式EE、測光連動範囲=EV1~17 (ISO 100)、フィルム感度使用域はISO25~400。
使用電池: HM-N型水銀電池2個
フィルム装填・給送: 裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー130度回転1作動式、予備角なし、小刻み巻き上げ可能。
フィルムカウンター: 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式。
フィルム巻き戻し: 上部回転クランク式。
大きさ&質量: 133×76×59mm、580g
◎以上、【Canon 「キヤノデートE-N」を軽く整備した時の記録】でした! (^^