カメラやレンズの修理や劣化についての独り言など
◎今まで分解・修理してきたジャンクのカメラ・レンズについての独り言集です。
光学機器のジャンクは何かしら大きな問題を抱えている事が多く、時に手に負えない事も多々あります。
時に誰もやらない様な事をするのが好きだったりしますが…
そんな管理人の独り言です(笑)
①電子化されたレンズ
AF黎明期の「レンズ単体でオートフォーカスできるレンズ」からレンズの電子化は始まりました。
ミラーレス化によりマウントが変わり、これから一眼レフカメラのジャンクAFレンズが増えそうですよね^^;
機械式のレンズは50年経っても使えますが、今の電子制御レンズの50年後は…
恐らく基盤やモーター、フレキシブルケーブルなどが壊れてマニュアルフォーカス&絞り開放でしか使えないレンズになっていると思われます。
でも今はカメラの代わりにスマホを使う人が多いので、その頃にはレンズの数自体が少なくなってしまうんでしょうね。
それでも白髪のよぼよぼ管理人はジャンクを直しているのかもしれませんが(笑)
②新品で買ってから地面に10回くらい落とした「EOS KISSx3」…
ついに劣化が始まってゴムパーツも脱落し始めました。
最近はついにI/Oカバーも取れました💦
おそらくショット数も10万回くらいなんですが、未だに壊れずに動いてます^^;
実はこの「EOS KISSx3」って「Made in japan」なんですよね…
最近は商品の箱に「日本製」とか書くのがステータスになっていますが、世界のレベルは既に高水準なのが厳しいところと感じています。
③ピントが来ないレンズ
これは分解前に撮影した画像でソリゴールの単焦点レンズです。
ピント面がボケボケ…
原因はレンズを研磨されていたり、分解してレンズの向きを間違えて組んだ時はこうなる事があります。
原因は何とバルサム切れ!!
しかもバルサムが劣化して膨張していました…
こんなの初めてだったのでビックリです。
もちろん貼り直したら元の性能に戻りました^^
④コーティングの曇ったレンズを買うのはギャンブル
個人的には前玉や後玉がこうなっていたら買うのをおススメできません💦
コーティングが確実にやられている事が多いです。
研磨してもまた曇ってくる確率が高く、また完璧を目指すと光軸が確実に狂います。
しかしながら、中玉ならグリスの気化した曇りの事も多いので、まだ回復できる確率が高いのも事実です。
P.S. (レンズを素手で触るなよとかツッコまないで下さい💦)
⑤嵌め殺しレンズのカビ清掃はとても難易度が高い…
1980年代後半からレンズの固定にプラスチック枠を熱カシメする物が一般的になりました。
これがレンズにカビが生えている時に分解清掃できないんですよね~~
何とか分解せずに綺麗にできないかとチャレンジしたのが超音波洗浄でした。
外したレンズユニットを超音波洗浄器に入れてみました。
そして扇風機の羽に付けて脱水! (バカ)
本当にこれでやりましたが、やはりバランサーが必要ですね(笑)
奇麗になるけど残念ながらゴミやカビの破片は残留…
この後やった対策として、レンズを固定している筒に穴を開けて蒸留水→無水エタノール洗浄を3回ほど繰り返すとかなり綺麗になる事が分かりました。
でも穴を開けるリスクを考えると、レンズを固定している部分を削った方が精神健康上良い事も分かりました(笑)
⑥古いカメラやレンズのネジが緩んでいる事は良くある事
珍しくタムロンのアダプトールのマウント部分がガタガタになっていました。
個人的には古いミノルタのレンズやキャノンFLレンズのネジが緩んでいる事が多いと感じています^^;
オールドレンズのネジ増し締めは必須です。
⑦見た目では分からない落下品のダメージ
落下の衝撃なのか、レンズを固定している中のカシメ部が全部外れていました…
開けてびっくり玉手箱とはこの事なんでしょうね(汗)
分解痕もあったので、それなりに直そうとしたんだと思います。
こうした経験を積んで、前玉・後玉の曇ったレンズ、ハメゴロシの酷いカビジャンク、落下品は避ける様になりました^^;
やっぱりある程度「楽」をしたいですからね(苦笑)
皆さんも楽しいジャンクライフを! (笑)
◎以上、【カメラやレンズの修理や劣化についての独り言など】でした!
¥330で買った「ヤシカ・エレクトロ35G」を磨いてみました☆
◎とあるリサイクルショップへ行ったら、今まで千円以上の価格を付けられていたカメラやレンズが全て¥330になっていました。
もちろん安物ジャンカー好きな自分はカメラとレンズを3点ほど購入!
今回はその中で汚かった「ヤシカ・エレクトロ35G」を奇麗に磨いた時の記録になります。
(今回は汚い時の写真を撮り忘れました… スミマセンorz)
①いきなり軍艦部の取り外しから
エレクトロ35Gの軍艦部を外すにはこれだけ部品を取らないといけません。
ヤシカのカメラはヤシカエレクトロ35CCなどもですが、必ずバッテリーチェックボタンを外し、組む時は一番最後にしないと本体側のスイッチを破壊します^^;
外した部品はクリーナーと銅ブラシを使って綺麗にしました。
②シンクロ接点の配線を外します
半田ごてを出して温めるのはひと手間ですが、切る訳にはいかないので頑張ります!
外した軍艦部をメラミンスポンジやクリーナーを使ってピカピカにしました。
③古いカメラで良くある事だけど…
接着剤が劣化して窓が外れるのは良くある事で、後から分解して接着するのは嫌なので自分は全部「窓」を押して外れないかチェックします。
でもアイレットがポロッと取れた時は流石に凹みました(笑)
おそらくぶつけてネジ穴部分で割れたんでしょうね^^;
これが何と以前分解した「キャノネットQL17初期型」のアイレットと形状がほぼ同じなんですよね^^
また暇な時に交換してみようと思います。
④ファインダーの清掃
ファインダーの清掃には「富士フイルム FUJIFILM レンズクリーニングリキッド(30ml)」が最適です。
特に矢印のハーフミラーは古くなると触れただけで剥げる事が多いので、隅から拭いて様子をみて下さい。
でもハッキリ言って劣化したハーフミラーは絶対に剥げるので、スマホの画面などに貼るハーフミラーを付けて修理するのがコストパフォーマンスが高いです。
(その時は二重像の調整が必要になります)
⑤恐る恐る電池ボックスの蓋を開けたら…
嗚呼…
やっぱり大型の積層電池は液漏れ(汗)
⑥ナショナルマーキュリーバッテリー
バッテリーは「065」と書かれていたので、おそらく1975年6月製造の物だと思われます。
しかも表記は紙製。
単純にこのカメラは40年は使われていなかったんでしょうね…
こうした古い電池って二度と手に入らないからコレクションしてます(笑)
矢印の部分は頑張って銅ブラシで磨きました^^;
(電池も: 笑)
⑦電極の形が残っていて良かった…
あれだけ酸化物が詰まっていると絶望的ですからね^^;
⑧手に届くところだけ綺麗にした「ヤシカ・エレクトロ35G」
もう53年も経っているんですねぇ…
今のミラーレスカメラが50年も経ったらただのゴミになりそうですが、こうしたカメラは直せる希望があるのが良いです。
まぁ、50年も経ったら自分も召されていますが…
⑨「ヤシカ・エレクトロ35G」をいろんな角度で撮影
Gのエンブレムは磨きすぎて地金が…(汗)
ほどほどに。
⑩COPAL ELEC
30~1/500秒の高速シャッターまで備えるコパル製「コパルエレク」電子シャッター。
⑪
ネジ1本まで磨きました(笑)
でも価値があるのは初期型らしいです。
後ろのポケットって、当時はいろんなメーカーが付けてましたよね^^
⑫軍艦部
エレクトロ35の字体はGSNから変わったみたいです。
⑬
初期型との違いは巻き上げレバーの形状変更など。
☆「ヤシカ・エレクトロ35G」の諸元
レンズの焦点距離:45mm 開放値:1:1.7 最小絞り:F16
レンズ構成:4群6枚 画角:51° 絞り羽根枚数:5枚
フィルター径:55φ 最短撮影距離:0.8m
シャッター:コパル社製エレク電子制御レンズシャッター
シャッタースピード:180~1/500S、バルブ フラッシュ時:30秒 セルフタイマー付
ファインダー:採光式ブライトフレーム付きビューファインダー
倍率0.65倍 視野率85% パララックス自動補正あり
露出計:Cds測光式/測光範囲:EV1~17(ISO100)
フィルム送り:巻き上げレバー式1作動(巻き上げ角180度)
外寸:141×82×73.5mm 重量:770g(電池別)
使用電池:HM-4N ゴールドメカニカは1968年発売
⑭ファインダーもピッカリコニカ(違)
グリスやオイルの気化ガス、電池の電解液の酸化分解ガスなどに長期間さらされてファインダーって汚れるんでしょうね^^;
被写体はピッカリコニカにしとけば良かったです(笑)
◎以上、【¥330で買った「ヤシカ・エレクトロ35G」を磨いてみました☆】でした!