「Canon S-lens 100mm F3.5 type3」はFL100mmと同じクモリ玉に悩む
◎1960年に発売された「Canon S-lens 100mm F3.5 type3」はSレンズとして三代目で、1953年に発売された初代「Serenar 100mm F3.5 typeI」、1958年に発売された「CANON 100mm F3.5 II」と同じ光学系を引き継いでいます。
そのままその光学系は「FL100mm F3.5」にも引き継がれましたが、自分が持っている「FL100mm F3.5」は2本とも中玉のクモリ、この「Canon S-lens 100mm F3.5 type3」も中玉にクモリが発生していました^^;
このクモリは「酸化セリウムによる再研磨」で取る方法がありますが、完璧は絶対に目指さない事が大切になります。
今まで前玉の曇った「FL35mm F3.5」や後玉の曇った「SIGMA 70-300mm F4-5.6D APO MACRO」などを透明になるまで研磨したら、光軸が狂ってただのゴミになりましたから^^;
手で研磨するなら表面のザラザラが無くなった時点で限界だと思っています。
あなたがたのうち、知恵に不足している者があれば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に、願い求めるがよい。そうすれば、与えられるであろう。
ヤコブの手紙 1:5 (口語訳)
①Canon S-lens 100mm F3.5 type3
1960年発売 当時の価格は¥17.000 レンズ構成は4群5枚
絞り羽根枚数は10枚 最小絞りはf22 最短撮影距離は1.0m
フィルター径は40㎜ 外寸は47×73㎜ 重さは220g
まず前群レンズユニットを反時計回りに回して外しますが、手で回せば簡単に外れると思います。
②銘板を反時計回りに回して外し、前玉を取り出します
吸盤オープナーでやると傷が付かなくて良いです。
③前群レンズの後ろのレンズを取り出します
こちらも吸盤オープナーで外して取り出しました^^;
④外したレンズを清掃します
組み立てる時はレンズの向きを間違えないようにします。
⑤ここはおそらく調整されていますので、絶対に回してはいけません!
このイモネジで固定されている部分が回らない様に作業する必要があるので、後玉を外す前に位置マーキングをしておけば万が一回転しても元に戻す事ができます。
もし回転させてしまったら、イモネジを外し、イモネジの穴から覗いてイモネジの穴とイモネジの打痕を中心に合わせればOKです。
⑥外した後群レンズ
レンズの向きとスペーサーの向きに注意します。
⑦後群レンズの2枚目が曇っています💦
「FL100mm F3.5」も必ずこのレンズが曇っているんですよね…
ここだけ違う硝材か、コーティングがされているのだと思われます。
とりあえず表面のザラザラが消える程度に酸化セリウムで研磨しましたが、あまりクモリは取れませんでした^^;
今は紫外線に当てて観察中…
それでもダメなら廃棄覚悟で「熱」を使ってみるかもしれません。
(とりあえず捨ててもいいレンズでやりますが💦)
⑧ついでに絞りも清掃しておきました
絞り羽根の枚数が多いほど嫌な作業になります^^;
特に最後の1枚を組む時が緊張します。
⑨「Canon S-lens 100mm F3.5 type3」の作例
使用カメラはニコン1V1になります。
やっぱり曇りが残ったレンズは写りもご覧の通りです^^;
状態の良いこのレンズの写りはとても良いだけに残念!
⑩公園の遊具
曇りガラスですね…
⑪景色
SMOKE ON THE SKY
⑫植樹
・・・
⑬植樹B
これ以上レンズを研磨すると光軸が狂うので怖くてできません^^;:
⑭気になったので、フォトショップエレメンツの「自動かすみ除去」を使ってみました
こんな感じに処理されました。
でもコントラストが高くなったり、不自然さも増えますね^^;
⑮フォトショップエレメンツの「自動かすみ除去」B
うさぎが白くない^^;
⑯フォトショップエレメンツの「自動かすみ除去」C
昔のフイルム写真みたい^^;
⑰フォトショップエレメンツの「自動かすみ除去」
うーん… イマイチです。
⑱フォトショップエレメンツの「自動かすみ除去」
割と良くなりました^^;
とにかく今は研磨以外の方法でクモリを取る方法を模索中です^^;
◎以上、【「Canon S-lens 100mm F3.5 type3」はFL100mmと同じクモリ玉に悩む】でした! (^^