「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」を簡単に整備、コーティングについて
◎今回は1973年3月に発売された「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」を簡単に整備し、ミラーレスカメラでの作例を載せてみました。
あとnewFDではあまり出会った事がありませんが、FDレンズは後玉のコーティングがやられている個体が多く、その影響について記事の最後に記しいます。
主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。
エレミヤ書 29:11 (口語訳)
〇アイキャッチ画像「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」
発売年月: 1973年(昭和48年)3月 発売時価格は¥25,500
レンズ構成:6群 レンズ構成:7枚 絞り羽根枚数:8枚 最小絞り:f16
最短撮影距離:0.45m 最大撮影倍率:0.145倍 フィルター径:55mm
最大径x長さ:67 x 49mm 質量:350g
①簡単に整備していきます!
FDレンズはマウントが厄介です^^;
まずマウントの回転をロックしているパーツを押し、マウント部をネジが3個見える位置まで回します。
見えたネジ3個を取り外します。
マウント部をゆっくり慎重に取り外しますが、制御ピンの位置関係をしっかり観察しておきます。
マウントを外したら小さな制御ピンとスプリングを外すのを忘れない様にします。
②レンズ清掃
もし絞り羽根が油まみれになっていたら全分解して絞り羽根を清掃する必要があります。
外したレンズを清掃します。
銘板を吸盤オープナーで外します。
前群レンズを外してレンズを分解・清掃します。
しっかり埃をブロアして組み立てます。
③マウントの組付け
まずマウントを組み立てる前にここのカムが山に乗っている事を確かめます。
乗っていないと絞りが正常に動作しません。
おおよそ、レンズを分解すると、カムが山を乗り越えている事が多いです^^;
矢印部の小さなピンを組付け、大きい方のピンをロックさせたら丸印に入るように組み立てます。
マウントが小さなピンに入っている事を確認し、マウントと本体に隙間が無いのを確認したらネジを取り付けて動作確認をして完成です。
④「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」の作例
使用カメラは1インチセンサーのニコン1V1なので、画角中央のみの評価になります^^;
風景はおおよそF8.0付近、ボケを活かした画像は絞り開放で撮影しています。
⑤木
開放f1.4
⑥池と野鳥
f8.0
⑦水飲み場にて
開放f1.4
⑧散歩道
f8.0
⑨公園の立木
開放f1.4
⑩木漏れ日
f8.0
⑪ブツ撮り(タイトーオンラインクレーン限定 レム プレシャスフィギュア レム~オリジナルチアリーダーver.~ Re:ゼロから始める異世界生活)
開放f1.4
こちらは後玉のコーティングが奇麗な「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」です。
⑫後玉のコーティングがダメな「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」
レンズの見た目は割と奇麗なんですが、ひょっとしたら研磨されているのかもしれません💦
NewFDなどは後玉のコーティングがやられているのをほとんど見た事がありませんが、ジャンクのFLやFDの後玉はコーティングが痛んでいるのを良く見かけます。
なので研磨されたFLやFDが出回っていても不思議はないと思うんです。
開放値の明るいレンズほど、コーティングを研磨すると影響が出るのでしょうし…
絞れば普通に写るので、「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」の開放は使えないとか判断される可能性はあります。
実際にボロクソ言ってる方もいましたし…
オールドレンズ全般に言える事ですが、どんなに状態が良くても必ずグリスが気化してレンズ表面に薄曇りや油膜が張ってたり、コーティング劣化やレンズ素材劣化(アルカリ化)するのは避けられない事です。
レンズの評価は作った技術者に敬意を持ち、レンズ本来の性能かどうかを見極めてやれたらいいなと思いました^^;
◎以上、【「FD50mm F1.4 S.S.C. (I)」を簡単に整備、コーティングについて】でした!