タムロン 35-70mmF3.5 (17A) 前期型をちょっと整備
◎今回は本館の記事用に前期型と後期型の違いを調べるために買ってきた前期型のタムロン35-70mmF3.5 (17A)です^^;
前期型はフォーカスリングゴムの模様が細かく、製造番号3×××××番台、後期型がフォーカスリングゴムの模様が大きくて5×××××番台でした。
もちろんカビジャンクレンズで、前のオーナーさんが分解を試みようとして傷だらけだったせいか、リサイクルショップでの価格は¥550でした。
このレンズの前期型はフォーカスリングの底部を固定しているリングナットを外すか、全分解しないと全てのレンズを清掃できません💦
しかもこの17Aって全ての締め付けが固いんです…
だから分解に失敗して傷だらけの17Aをたまに見かけます。
エタノールをネジ山に染み込ませるだけでは緩まないので、ドライヤーでガンガンに温める必要があります。
本館で詳しい分解記事を載せていますので、ここでは簡単な分解に留めています。
愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない。
コリント人への第一の手紙 13:4 (口語訳)
①タムロン 35-70mmF3.5 (17A) 前期型 アイキャッチ画像
フォーマット35mmSLR 回転式ズームレンズ マニュアルフォーカス
マウントはタムロンアダプトール2 発売は1982年、生産終了は1987年
レンズ構成は7群7枚 フォーカルレンジ35-70mm 開放値f3.5
最小絞り32 絞り羽根枚数は8枚 最短撮影距離はマクロ時で0.25m
フィルター径は58mm 重さ330g 最大撮影倍率: 1/2.8
②それでは分解清掃します
A: フォーカスリングを無限遠にセットしてフォーカスリングゴムを外し、イモネジを緩めておきます。
B: フォーカスリング底部のリングナットを外しますが、これはどんな道具も入らないので特殊工具を自作して反時計回りに回して外しました。
そしてフォーカスリングを引き抜きます。
組み立てる時はヘリコイドを無限遠にセットして組み立てるだけです。
C: ヘリコイドは外れる瞬間の位置がとても大事になりますので、慎重にゆっくり回してマーキングしておきます。
D: そして前群の位置をマーキングしたら、ヘリコイドにあるイモネジを緩めて前群を外します。
各レンズを清掃します。
組み立てる時はイモネジを外してネジ穴にイモネジの打痕をセンターにぴったり合わせればOK!(画像⑤のD参照)
③各レンズを分解清掃します。
A: 前群の後ろも外して清掃します。
B: 中玉も外して清掃します。
C: 後群レンズを押さえているリングナットは非常に固いので、しっかりドライヤーで温めてから外します。
前のオーナーさんは緩められなかったみたいで傷が…
④全分解図
レンズの向きが分からなくなったら本館をご覧ください。
⑤マウント分解にも罠が…💦
レンズの清掃のみならマウント分解は必要ありません。
A: これらのパーツは取り付け位置が決まっているので注意して下さい。
B: ここに小さなワッシャーが入っています。
C: 絞りリングを外す時はクリックボールの紛失に注意。
D: 前群をヘリコイドに組み付ける時はイモネジを外し、イモネジの打痕をセンターに合わせれば出荷時の無限遠に合わせられます。
でもヘリコイドの組付けミスがあるとダメですが…
ヘリコイドを組付けた時にストッパーがきっちり入っていればまず大丈夫です。
⑥タムロン 35-70mmF3.5 (17A) の作例
カメラはフルサイズの一眼レフ「ニコンD700」を使っていますが、この作例は後期型のものになります💦
最後のフィギュア画像のみこの前期型で撮影しています。
⑦葉
開放f3.5 70mm
⑧階段
35mm f3.5
⑨堤防の夕焼け
50mm f8.0
⑩橋
70mm f3.5
⑪渋滞
35mm f8.0
⑫ブツ撮り タイトープライズフィギュア
70mm f8.0
なかなか良く写るレンズですが、何となくですが後期型の方が良く写る気が…
前玉のコーティングの反射がちょっと違うんですよね^^;
◎以上、【タムロン 35-70mmF3.5 (17A) 前期型をちょっと整備】でした!